The Epic of Zektbach

ニョアの手記

冒険者諸君、ごきげんよう。ニョアである。

私は今、ディリアという街にいる。
ロロから南東に進みミュテスの滝近くにある、川に囲まれた街である。
川を渡る手段が乏しく、特色も無いので人がほとんど訪れない田舎街である。
しかし、この街の歴史は古く、様々な伝承と謎があるらしいとの情報を得て
私も興味を持って来てみたわけなのだが…苦労して来てみれば単なる田舎街であり
何の手掛かりを掴む事はできなかった。

ふらりと入った街の特産品屋に、変わった味のする菓子『ミリアタム』を見つけた。
なかなか美味しい味をしているので店の主人に尋ねると
なんでも、この砂糖菓子はこの街に昔大勢いた古の民と呼ばれた人々の伝統菓子だそうだ。
捲し立てるように主人は続けた、
『そして、俺さまはその血を唯一引いている末裔ってわけよ。』
その隣で、妻らしき女性がアンタまた見ず知らずの猫にホラを吹いて…と溜息まじりに言っている。
そんな事も気にせず、店の主人はこう続けた。
『この街にはかつて英雄がいたんだよ。このアリア・テ・ラリアを救った英雄がさ!』
隣で妻が飽き飽きしたような仕草をしてみせた。
その話に飽きたのか、それも含めた夫そのものに飽きたのか判断が微妙な仕草だった。
『そして、その末裔が俺ってわけだ!
つまりは…俺も英雄ってわけだ!分かるか?キザ猫のおめえさんに』
満面の笑みで自分の胸を叩く主人。
私はなにか面倒で長い話になりそうな予感がしたのでにゃあとだけ鳴いてその場を去った。

街の中心に出ると石像を発見した。人が何かに手を掲げている。
何か邪悪なものを抑え込んでいるようにも見えるが、これが件の英雄なのか。
しかし、私の今まで見たどの文献にもディリアの英雄について記されたものは無いのだ。
伝承はねじ曲がって伝わる事が多いので、これも小さい事が美談化して大きくなったのだろうか。

後に分かったのだが、砂糖菓子『ミリアタム』は伝統菓子でも何でもなく
ノヴァリスタで普通にわごんせーるされていたありきたりな鳩の餌だったにゃ。

さて、今日も君達の便りを読んでいこう。


御機嫌よう、ムシュー・ニョア。
先日こちらの世界の海をクルージングしていて思ったのですが、
アリア・テ・ラリアでも回遊船による海上観光のようなものはあるのでしょうか?
地図を見る限り、海岸沿いに名所も点在しているようですし…
ノイグラードは元より、わたくしマシノワの風土と歴史に並々ならぬ魅力を感じているもので
そのような素敵なツアーがあったならば是非!参加したいのですが。
(召喚士ウメシロより)

くるーじんぐで最も人気が高いのは、セントリス湖の遊覧船で
前にも手記に記したが、セントリス湖北側から西一帯にかけて白銀の巨塔と呼ばれる
氷雪の自然芸術に包まれた針葉樹群があるにゃ。
朝方に気象条件が重なると、全体が虹色に輝く事もあり国民には一番の人気すぽっとだにゃ。
海上観光だとモンテギュフィヨルド入口の村パジャオ~ピノノン島を回遊するコーラル船がある。
ピノノン島周辺は珊瑚礁になっており、非常に美しい景色を堪能できる。
このりぞーとは諸君もご存知、私がよく行く場所だ。
他にも海上から眺めるミュテスの滝やアッシア周辺の蜃気楼等も有名である。
ただ、テトロア内海は王国の警備が厳しく、外海は海賊が多く徘徊しているので
民間の観光船が行き来できるのは限られた海域となってるにゃ。

こんにちはニョアさん。
ニョアさんはマタン殿、ノクス殿、アンネース殿、シャムシール殿と話したことがあるのでしょうか?
それと、アンネース殿とシャムシール殿の笑顔を見たことがありますか?
(詩人クロより)

アンネースはルルドの泉が枯渇する前までは笑顔を絶やさぬ女の子だったようである。
罪狩りを行うようになってからは笑顔のやり方を忘れてしまったようだ。
シャムシールは冷静な指揮官にしてくーるな戦士という印象が強いが、
服装や雑貨は可愛らしい物を好む所があり、
可愛い物を見ると自然と笑顔になってしまうみたいだにゃ。

この間、マタン様の召使いになろうと思い、
王国を訪ねたら王国騎士に「猫は必要ない。」と言われて追い出されました。 
その日から僕は王国をキライになりましたにゃ!
そこでノクス様がリーダーの「ノイグラード下層階級集団」の仲間になろうと思いましたのにゃ。
しかし、王国で追い出されたときのことがトラウマになってしまって、
なかなかノクス様に頼めないのですにゃ。
こんな猫の僕でも、ノクス様は許してくれるでしょうか?
ノクス様は動物好きだし、大丈夫ですよね???
(猫のニャルより)

もし、君が飼い主の経済力で悠々自適に過ごしているイエネコで無く
数多の困難を打ち破り、孤独にも打ち勝てる生粋のノラネコであれば
きっと大歓迎してくれるであろう。
その際には私のような貴族然とした華麗なる格好でなく全裸でパナンに赴くとよいだろう。

では、今回はこの辺でさらばにゃ!

――――――――――――ニョアの手記 65 ――――――――――――

(2009.12.02)


The Epic of Zektbach -FRAGMENTS OF ARIA TE'LARIA-

© Konami Digital Entertainment © Internet Revolution